薬局M&A 案件概要書はどこをみればいい?
薬局をM&Aで買おうと紹介サイトに登録するといろいろな情報を紹介してもらえます。
その際、案件概要書という形で詳細を教えていただけるのですが、実際どこみたらいいかわからない?
そういった方へ見るポイントを一緒に考えていきましょう。
イメージしやすいように目安の金額を入れてあります。
あくまで目安なので参考程度にご覧ください。
薬局の価値を示す値として営業権という言葉が使われています。
M&Aの価格は営業権+資産+保証金+M&Aの手数料成り立っています。
ここでは順番に見ていきましょう。
営業権について
営業権を調べてみると「企業が有するノウハウ、立地等、他に代替できない無形の価値のこと」とでてきます(コトバンクより)
門前薬局においては処方箋枚数、医療機関からの距離、処方元のDrの年齢などが関わって値段が決まります。
営業権の評価方法はさまざまありますが一例を示します。
・営業権(のれん)=実質利益(過去2~5年の平均税引き後の利益)×評価倍率(2~5倍)
薬局においては評価倍率のところは門前Drの年齢や後継者の有無が大きく関わってきます。
この計算式からわかるように赤字の案件は営業権が0円で設定されています。(一部例外あり)
「技術料+管理料」について
個人で買う場合おそらく技術料は100万~150万円/月のものを紹介されることが多いと思います
その技術料の内訳でどのような加算がついてその値段になっているかを確認します
・基本料は何点か?
・後発品の加算は?→門前ドクターの意向で加算を増やせない?今後改善の余地があるか?
・地域支援体制をとっているか?
・処方箋枚数と技術料から処方箋単価の確認→単価が安くても地域支援体制加算をとるとなんとかできるのか?
薬剤費について
・薬剤料は一月あたりいくら使っているか?→薬価差益にも関わってきます(薬価差益はどんどん減ってきており今後は期待できない)
・薬価差益はいくらで計算されているか?
・消費税はちゃんと考えられているか?を確認しましょう。
必要経費について(販売管理費)
・薬剤師給与 技術料100-150万円だと一人でやるので0円
必要経費すべてを除いた分がご自身の給与になります。
・事務員給与 100万円 (午前中のみ雇う場合) 午後も雇うと150-200万円
・地代家賃 案件毎
・賞与
・福利厚生費
・旅費・交通費
・図書研究費
・通信費
・事務用品費
・消耗品費
・保険料
・水道光熱費
・支払手数料
・寄付金
・減価償却費 レセコン・電子薬歴・分包機・(建物・土地)がメインになります
・管理諸費
・雑費
・税理士費用
目安程度に、薬剤師給与・事務員給与・家賃を除いた金額は一人薬剤師店舗だと30-50万円/月ほど考えておけば大丈夫です。このあたりは、レセコン・電子薬歴(減価償却)の台数・保守契約等で大きく変わります。
レセコン・電子薬歴一体型クラウド管理だと予算を抑えることができます。
資産について
資産は流動資産と固定資産に分けられます。
・流動資産 商品在庫(医薬品)
・固定資産 有形固定資産 建物、器具備品など
無形固定資産 ソフトフェア (電子薬歴・レセコン)
ここに示したものが大部分をしめると思います。案件概要書には簿価で載っています。
購入時金額もしくは減価償却累計額というのがわかると、買ってからどのくらい時間がたっているのか?がわかり再投資の資金の準備の計画を立てることができます。
例:分包機が簿価0円なら耐用年数を過ぎているので買い替えが必要になってくるかもしれない。
→分包機代50~200万円程は用意しておかないと壊れた時にとても厳しくなる。
保証金について
店舗を譲り受けるときの金額になります。賃料の10ヶ月分が相場のようです。
前の会社と不動産所有者との契約を解除して新規で契約する場合と前の会社のしていた契約を引き継ぐ場合と(地位承継)2種類が考えられます。
地位承継の方が値段を安く抑えることが可能だが、不動産所有者の意見が強くなると思います。
あまり強気に交渉しすぎて賃貸契約を結んでもらえないと営業できなくなってしまいます。
M&Aの手数料について
譲渡金額によって変わってくることが多いと思います。会社価値の高い案件ほど高額になります。
個人で手を出せる金額は350-500万円(+税金)くらいになると思います。
仲介会社それぞれで値段は決まっているので従いましょう。
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