黒字倒産と支払い間隔について

黒字倒産ってなに?

今回は、「黒字倒産」というビジネス用語について取り上げます。これは企業が経営上は健全、つまり黒字を出している状態であるにも関わらず、現金の流れ(キャッシュフロー)の問題により経営破綻する状況を指します。

調剤薬局を例に、黒字倒産のメカニズムと回避策について掘り下げていきます。

調剤薬局は、診療所や病院から処方箋を受け取り、その処方箋に基づいて薬を調剤します。もし、その薬局の売上が安定し、損益計算書上では黒字を出している状態でも、キャッシュフローの問題が生じることがあります。

どうして黒字倒産が起こるの?

なぜなら、薬の調達には大量の現金が必要で、さらに、薬剤師への給与や薬の在庫維持などの運営費用も必要です。また、薬品の支払いはすぐに行われますが、調剤薬局が売上を回収するのは、診療報酬が保険から支払われるまでに時間がかかるため、現金化(売上回収)までにタイムラグが生じます。

このように、黒字であっても、一時的な現金不足により、支払いが滞ることがあります。これが長期化すると、信用が失われ、最終的には倒産に至る可能性もあるのです。これが一例となる黒字倒産の現象です。

実際には、薬局においては医薬品卸さんから医療用医薬品を購入するときは支払い間隔は保険の支払いに合わせて延ばしてもらえると思います。(2ヶ月程度)しかし、医療用医薬品以外の市販薬、食品を購入する際は支払い間隔は翌月になることが多いと思います。

黒字倒産を回避するには?

では、黒字倒産はどのように回避すればよいのでしょうか。一つの方法は、支払い間隔を延ばすことです。これにより、一時的なキャッシュフローの問題を緩和し、その間に売上金の回収を行うことが可能になります。ただし、支払い間隔を延ばすことが可能か否かは、取引先との契約内容や関係性に依存します。また、これは一時的な解決策であり、より根本的な経営改善や、キャッシュフローの管理強化が必要となります。

結論

結論として、黒字倒産は、売上が安定していても、キャッシュフローの管理が不適切な場合に発生する可能性があります。企業が健全に運営され続けるためには、損益だけでなく、キャッシュフローの管理も重要であり、特に調剤薬局のような業態では、調剤薬の支払いと保険からの支払い受け取りに時間差があるため、注意が必要です。高額医薬品の過剰在庫は間違いなく薬局経営を圧迫するので注意しましょう。

我々が日々の経営において取り組むべき課題は、単に売上を上げることだけではなく、企業の健全な運営を支えるためのキャッシュフロー管理にも注意を払うことであると再認識させられます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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